コアレスモータとは?構造や特徴、採用事例を解説
コアレスモータは、鉄心(コア)を持たない独自のロータ構造により、軽量・高応答・低振動を実現したDCモータの一種です。医療機器やロボティクス、精密計測装置など、高い制御精度が求められる分野で幅広く採用されています。
本記事では、コアレスモータの基本的な仕組みや構成部品、採用事例を解説します。新規開発や自社製品への採用を検討される方は、ぜひ最後までお読みください。
なかでも、FAULHABER(ファウルハーバー)社のコアレスモータは、自己支持型の斜め巻線コイルによる鉄心なし構造を全製品の基盤としており、コギングのないスムーズな回転と高い応答性を特徴としています。
80年にわたりマイクロモータ技術の分野をリードしており、モータ単体だけでなく、ギアヘッドやエンコーダ、コントローラと組み合わせたドライブシステムとしての提案にも対応しています。
コアレスモータの選定や導入をご検討の方は、FAULHABER社の日本総代理店である新光電子株式会社にご相談ください。
・コアレスモータの仕組みと特徴
・コアレスモータの構成部品
● FAULHABER(ファウルハーバー)製コアレスモータの特徴
・ FAULHABER式斜め巻線
・ 整流システム(貴金属整流とグラファイト整流)
・ マグネットの種類と動作寿命
● FAULHABER(ファウルハーバー)製コアレスモータの種類
・S/G シリーズ:直径6mmからの超小型・低消費電力モデル
・SR シリーズ:最大10mNmの高トルクコンパクトモデル
・CXR シリーズ:コンパクトかつ高出力密度のグラファイト整流モデル
・CR シリーズ:最大222mNmの高出力モデル
・SR-Flat シリーズ:全長6mmからの超薄型モデル
● FAULHABER(ファウルハーバー)製コアレスモータが選ばれる理由
● FAULHABER(ファウルハーバー)製コアレスモータの採用事例
・ 下水道の管内検査システム
・ 製造ラインの精密ディスペンサ
・ 医療用体外診断(IVD)装置
● コアレスモータの選定・相談は新光電子へ
コアレスモータとは、一般的なDCモータに使われる鉄心(コア)をロータから取り除いた構造を持つモータです。ここでは、コアレスモータの基本的な仕組みと構成部品について解説します。
1.コアレスモータの仕組みと特徴
2.コアレスモータの構成部品
それぞれ順番に見ていきましょう。
コアレスモータの最大の特徴は、ロータに鉄心を使用しない点にあります。
一般的なDCモータでは、銅線を鉄心に巻き付けてコイルを形成します。鉄心があることで磁束を集中させ、効率よくトルクを発生させる仕組みです。しかし、鉄心には2つの課題があります。1つ目は、重量が大きくなること。2つ目はコギングトルク(磁石と鉄心の間の磁気的吸引力による回転ムラ)が発生することです。
そこで、コアレスモータでは、コイル自体が自己支持構造を持ち、鉄心なしで回転子を構成しています。この構造により、以下のような特徴を備えています。
-
● コギングトルクが発生しない:鉄心がないため、磁石と鉄心の間で生じる磁気的な吸引力による回転ムラ(コギング)
がありません。低速域でも非常にスムーズな回転を実現できます。 -
● 低慣性・高応答:鉄心を使用しないことでロータが極めて軽量になり、慣性モーメントが小さくなります。
その結果、起動・停止・加減速の応答性に優れ、高精度な位置決めにも対応可能です。 -
● 高効率:軽量ロータにより駆動に必要なエネルギーが少なく済み、さらに鉄心がないため鉄損(渦電流損や
ヒステリシス損)も発生しません。同サイズのコアードモータと比較して高い効率で動作します。 -
● 低ノイズ・低EMI:コギングがなくスムーズに回転するため、機械的な振動や電磁ノイズ(EMI)が低く抑え
られます。精密機器やセンシティブな環境での使用に適した特性といえるでしょう。 - ● リニアな速度特性:負荷と回転速度の間に絶対的な比例関係があり、制御がシンプルかつ高精度に行えます。
こうした特性から、コアレスモータは精密な制御が求められる医療機器や半導体製造装置、光学機器など、幅広い用途に採用されています。
「小さくても高出力」「スムーズで正確な動き」を求めるアプリケーションに適したモータといえるでしょう
・コアレスモータの構成部品
コアレスモータは、主に以下の4つの部品で構成されています。コアードモータとの違いを理解するうえでも、各部品の役割を把握しておくことが重要です
-
●コイル(ロータ):コアレスモータの心臓部にあたる部品です。鉄心を持たない自己支持型の銅製コイルで構成
されており、コイル自体が円筒状の構造を形成しています。 -
●マグネット(ステータ):永久磁石がモータのハウジング内側に配置され、固定子として機能します。使用される
磁石の種類はメーカーや用途によって異なります。 -
●ブラシ・整流子(コミュテータ):ロータのコイルに電流を供給するための接触部品です。ブラシがコミュテータと
接触し、回転に応じて電流の方向を切り替えます。ブラシの素材や整流方式は
メーカーによって異なり、用途に応じて使い分けられています。 -
●軸受(ベアリング):回転軸を支持する部品です。スリーブベアリングやボールベアリングが使用され、モータの
寿命や精度に直結する重要な要素となっています。
以下の表で、コアードモータとコアレスモータの構造的な違いを整理します。
| 比較項目 | コアードモータ | コアレスモータ |
|---|---|---|
| ロータの構造 | 鉄心にコイルを巻き付ける | 鉄心なし(自己支持型コイル) |
| ロータの軽さ | × 鉄心の分だけ重い | ◯ 鉄心がなく非常に軽い |
| コギングトルク | × 発生する | ◯ 発生しない |
| 応答性 | △ 慣性が大きいため遅い | ◯ 慣性が小さいため速い |
| 効率 | △ 鉄損が発生する | ◯ 鉄損がない |
このように、コアレスモータはコアードモータの課題を構造的に解消した設計となっています。「高応答」「低振動」「高効率」という3つのキーワードを実現するための、合理的な構造を持っているといえるでしょう。
前章では、コアレスモータの基礎知識をお伝えしました。一見共通の仕組みに見えるコアレスモータですが、FAULHABER社の製品には、長年の経験に裏打ちされた独自の設計思想が息づいています。ここでは、同社が高いパフォーマンスを実現するために注ぎ込んでいる技術的特徴を紐解いていきます。
- 1.FAULHABER式斜め巻線
- 2.整流システム(貴金属整流とグラファイト整流)
- 3.マグネットの種類と動作寿命
それでは、実際に上記3点について、見ていきましょう。
コギングトルクの排除や低慣性、鉄損のない高効率動作といった特性は、コアレスモータ全般に共通するメリットです。しかし、同じコアレスモータであっても、コイルの巻線構造によって出力密度やトルクリップル、応答性の水準には差が生じます。
なかでも、FAULHABER社が1958年に特許を取得した「FAULHABER式斜め巻線」は、銅線を斜めに交差させながら円筒状に巻き上げることで、コイル自体が鉄心なしで構造を保持する自己支持型の設計です。
主要なコアレスモータメーカーも自立型コイルを採用していますが、FAULHABER式斜め巻線は銅充填率や巻線の対称性において独自の特長を持っています。
-
●高い銅充填率による出力密度の向上:斜め巻線によりコイル内の銅線の密度が高まり、同じ体積でもより多くの銅線を
収められます。これにより、一般的なコアレスモータと同サイズであっても、
より高いトルクと出力を得ることが可能です。 -
●巻線構造の最適化によるロータ慣性の低減:斜め巻線により余分な構造部材を排除し、ロータの慣性モーメントを最小
限に抑えています。起動・停止の応答性がより高い水準で実現されます。 -
●巻線の高い対称性によるトルクリップルの低減:斜め巻線は構造的に対称性が高いため、一般的なコアレスモータと
比較してトルクリップルが小さく、電磁干渉(EMI)もより低い
水準に抑えられています。
このように、FAULHABER式斜め巻線は、コアレスモータが持つ基本特性をさらに高い水準に引き上げる巻線技術です。1958年の特許取得以来、同社の全DCモータの基盤技術として採用され続けています。
コアレスモータでは、低電流・精密制御用途に適した貴金属ブラシが広く使われています。FAULHABERでは、この貴金属整流に加え、高出力・高負荷用途に対応するグラファイト整流も選択できます。用途に応じて貴金属整流とグラファイト整流の2方式を使い分けられる点が、FAULHABERの整流設計の特長です。
貴金属整流は、ブラシおよび整流子に高性能な貴金属合金を使用したシステムです。接触抵抗が非常に低く、微細で低ノイズな整流信号を特徴としています。バッテリー駆動のように低電流を必要とする用途に適しており、最大定格効率付近で安定した動作を維持します。
グラファイト整流は、グラファイトのブラシと銅合金整流子の組み合わせで構成されています。急な起動・停止や断続的な過負荷状態が求められる高出力用途に適しており、連続運転や限界温度付近での使用にも対応できます。
| 比較項目 | FAULHABER 貴金属整流 | FAULHABER グラファイト整流 |
|---|---|---|
| ブラシ素材 | 高性能貴金属合金 | グラファイト |
| 接触抵抗の低さ | ◯ 非常に低い | △ やや高い |
| 整流信号の精度 | ◯ 微細・低ノイズ | ◯ 安定・頑丈 |
| 低電流・精密制御 | ◯ バッテリー駆動や精密制御に最適 | △ 高電流向き |
| 高出力・高負荷耐性 | △ 過負荷には不向き | ◯ 急な起動停止・過負荷に対応 |
| 耐久性 | ◯ 低負荷で長寿命 | ◯ 過負荷にも強い |
| スパーク抑制機能 | ◯ 対応 | ◯ 対応 |
FAULHABERでは、精密な低電流制御に適した貴金属整流と、高出力の連続運転に対応するグラファイト整流の2方式を用意しています。アプリケーションの要件に応じた整流方式の製品が揃っている点が、同社の製品が幅広い分野で採用される理由のひとつです。
コアレスモータでは、小型で高い磁束密度が求められるため、ネオジウム磁石(NdFeB)が広く使われています。FAULHABERでは、このネオジウム磁石に加え、耐熱性に優れたサマリウムコバルト磁石やアルニコ磁石も用途に応じて使い分けています。
ネオジウム磁石は磁力が強く、小型でも高いトルクを発生できるため、出力密度が求められる用途に適しています。一方、サマリウムコバルト磁石は高温環境下でも磁力の低下が少なく、動作温度範囲の広さが求められるアプリケーションに対応可能です。
動作寿命については、FAULHABER製DCモータは標準的な負荷環境で1,000時間程度、適した環境下では5,000時間以上の動作寿命に対応しています。寿命に影響する主な要因は、整流子とブラシの機械的摩耗(回転数に依存)、電気的摩耗(スパーク、電気的負荷と回転数に依存)、そして極端な温度・湿度や過度な振動といった環境要因です。
FAULHABER製DCモータには、必要に応じてスパークの悪影響を最小限に抑えるスパーク抑制機能が組み込まれています。また、PWM信号で制御する場合には最低周波数として20kHzが推奨されています。こうした寿命設計とスパーク対策は、長期間の連続運転が求められるIVD装置や産業用途において、モータの安定稼働を支える要素となっています。
FAULHABERでは、用途や要求仕様に応じた5つのコアレスモータシリーズを展開しています。
全シリーズに共通する特長として、FAULHABER式斜め巻線による自己支持型コイル構造、コギングのないスムーズな回転、耐腐食性処理を施したスチール製ハウジング、強力な希土類マグネットが挙げられます。ここでは、各シリーズ固有の特長に絞って紹介します。
- 1.S/G シリーズ:直径6mmからの超小型・低消費電力モデル
- 2.SR シリーズ:最大10mNmの高トルクコンパクトモデル
- 3.CXR シリーズ:コンパクトかつ高出力密度のグラファイト整流モデル
- 4.CR シリーズ:最大トルク222mNmの高出力モデル
- 5.SR-Flat シリーズ:全長6mmからの超薄型モデル
S/Gシリーズは、FAULHABERのラインナップの中で最も小さい直径6mmから対応する貴金属ブラシタイプのモータです。低スタンバイ電流・低始動電圧が特長で、バッテリー駆動のハンディータイプ機器など、消費電力の制約が厳しいアプリケーションに適しています。
制御もシンプルで、PWMによる速度調整が容易に行えます。定格電圧は1.5Vから対応しているため、小型電池での駆動にも対応可能です。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| モータ直径 | 6〜22 mm |
| モータ長 | 15〜33 mm |
| 定格電圧 | 1.5〜40 V |
| 速度 | 最大 24,000 min⁻¹ |
| トルク | 最大 5.9 mNm |
| 連続出力 | 最大 8 W |
主な用途:ハンディータイプ電子デバイス、ポンプ、自動化技術、光学・機械製造
SRシリーズは、貴金属ブラシタイプの中で高精度な位置決め用途に特化したモータです。S/Gシリーズとの最大の違いは、高分解能エンコーダや遊星ギアヘッド・スパーギアヘッドとの一体設計を前提に開発されている点にあります。
接触抵抗が非常に少ない整流システムにより、精密かつ低ノイズの整流信号を実現しています。体外診断(IVD)装置のピペッティングヘッドなど、反復的な開始/停止動作と正確な位置合わせが求められる用途で採用されています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| モータ直径 | 8〜22 mm |
| モータ長 | 16〜32 mm |
| 定格電圧 | 3〜36 V |
| 速度 | 最大 17,000 min⁻¹ |
| トルク | 最大 10 mNm |
| 連続出力 | 最大 8.5 W |
主な用途:IVD装置、精密位置決め、バッテリー駆動システム
CXRシリーズは、グラファイト整流タイプの中でコンパクトさと出力密度のバランスに優れたモデルです。貴金属整流のS/G・SRシリーズでは対応しきれない高出力用途に対して、CRシリーズほどの大型サイズを必要としない場合に選択されます。
直径13〜26mmのサイズで3.6〜40mNmの連続トルクを発揮でき、グラファイト整流のため急な起動・停止や断続的な過負荷にも対応可能です。動作温度範囲も-30°C〜+100°C(オプション-55°C)と広く、光学式・磁気式エンコーダーとの組み合わせにも対応しています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| モータ直径 | 13〜26 mm |
| モータ長 | 27〜57 mm |
| 定格電圧 | 6〜48 V |
| 速度 | 最大 10,000 min⁻¹ |
| トルク | 最大 40 mNm |
| 連続出力 | 最大 34 W |
主な用途:産業用自動化機器、精密スピードコントロール、位置決め用途
CRシリーズは、FAULHABERのDCモータの中で最も広い出力範囲(19〜222mNm)を持つシリーズです。安定した低摩耗のグラファイト整流、強力なネオジウムマグネット、高い銅充填率のFAULHABER巻線の3つの要素により、最大160 Wの連続出力に対応しています。
動作温度範囲は-30°C〜125°C(オプション-55°C〜155°C)と全シリーズで最も広く、過酷な温度環境下での使用にも対応可能です。周期的な過負荷がかかる用途や、素早いスタート・ストップが繰り返される用途に適しています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| モータ直径 | 23〜38 mm |
| モータ長 | 42〜90 mm |
| 定格電圧 | 6〜48 V |
| 速度 | 最大 11,000 min⁻¹ |
| トルク | 最大 224 mNm |
| 連続出力 | 最大 160 W |
主な用途:産業用ロボット、搬送装置、高出力・高負荷アプリケーション
SR-Flatシリーズは、他の4シリーズとは異なるフラットコイル技術を採用した超薄型モデルです。3つの自己支持型銅製フラットコイルによる4極設計で、モータ全長わずか6〜19mmという薄さを実現しています。
最大の特長は、一体型の平ギアヘッドと光学式エンコーダをモータの直径内に収められる点です。フラットな形状を維持したまま、高出力トルクのドライブシステムを構成できます。高さ方向のスペースに制約がある装置設計において、他のシリーズでは対応できない薄型要件に応えることが可能です。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| モータ直径 | 15〜26 mm |
| モータ長 | 6〜19 mm |
| 定格電圧 | 3〜24 V |
| 速度 | 最大 16,000 min⁻¹ |
| トルク |
最大 100 mNm ※一体型 平ギアヘッド |
| 連続出力 | 最大 4 W |
主な用途:ウェアラブルデバイス、薄型精密機器、省スペース設計が求められる装置
コアレスモータが選ばれる理由
一般的なコアレスモータは、モータ単体として販売されるケースが多く、ギアヘッドやエンコーダ、コントローラは別のメーカーから調達して組み合わせる必要があります。このため、モータとギアヘッドの軸径の整合やエンコーダの取付スペースの確保など、設計段階でのすり合わせ工数が発生します。
FAULHABERでは、モータに加えて精密ギアヘッド(遊星タイプ・平歯車タイプ・低バックラッシュ平歯車タイプ)、高分解能エンコーダ(インクリメンタル・アブソリュート)、ドライブエレクトロニクス(スピードコントローラ・モーションコントローラ)を自社で展開しています。モータとこれらのコンポーネントは同一の設計思想で開発されているため、組み合わせ時のサイズ・性能のロスが最小限に抑えられます。
たとえば、SRシリーズにIE2エンコーダを組み合わせた場合、ユニット全体の長さはわずか2.4mm延長されるだけです。また、SR-Flatシリーズでは一体型の平ギアヘッドと光学式エンコーダをモータの直径内に収められるため、フラットな形状を維持したまま高出力トルクのドライブシステムを構成できます。
こうした「モータ+ギアヘッド+エンコーダ+コントローラ」をひとつのメーカーで最適に組み合わせられる点は、モータ単体のスペックには現れにくい部分ですが、装置設計の工数削減やシステム全体のコンパクト化において大きな差となります。コアレスモータの導入を検討する際には、モータ単体の性能だけでなく、ドライブシステム全体としての構成も合わせて比較することが重要です。
コアレスモータの採用事例
FAULHABER製コアレスモータは、その高精度・高効率・コンパクトさを活かして、さまざまな分野で採用されています。ここでは、代表的な3つの分野における採用事例をご紹介します。
1.下水道の管内検査システム
2.製造ラインの精密ディスペンサ
3.医療用体外診断(IVD)装置
実際のアプリケーションにおいて、コアレスモータがどのように活用されているか、具体的に見ていきましょう。
下水道の排水管検査では、狭い管内を移動しながら内部を撮影する小型カメラ検査システムが使用されています。
ドイツのIBAK社が開発したシステムでは、カメラヘッドの回転・パン撮影・フォーカス制御にFAULHABER社の直径8〜12 mmのギアモータユニットが採用されました。
狭い排水管内に収まるコンパクトさと、0 rpmからのスムーズな駆動による精密なカメラ制御を両立できる点が、コアレスモータが選ばれた理由です。
参考: 下水道 | 用途/アプリケーション | FAULHABER / 日本総代理店 新光電子株式会社
製造現場では、はんだペーストや接着剤などを微量かつ正確に塗布する精密ディスペンサの需要が高まっています。
ドイツのViscoTec社が開発した「preeflow®」注入ユニットでは、直径22mm・全長32mmのFAULHABER社製DCマイクロモータとエンコーダ、遊星ギアヘッドの組み合わせが採用されています。
ロボットアームに直接装着できるコンパクトさと、供給圧力20バールを生み出す高トルクという相反する要件を、コアレスモータの高出力密度によって両立しています。
エンコーダによるロータ位置の正確なフィードバックにより、媒体が滴り落ちることなく分離できる点も、精密注入において重要な特性です。
参考: 最高性能の注入ユニット | 用途/アプリケーション | FAULHABER / 日本総代理店 新光電子株式会社
体外診断(IVD)分野では、血液や尿などの試料の搬送・ピペッティング・混合・撹拌といった一連のプロセスが自動化されています。
ピペッティングやピック&プレースのような反復的な開始/停止動作には、高速かつ正確な位置合わせが求められ、ドライブは可動部品内に組み込まれるため小型・軽量であることも条件となります。
FAULHABER社の1524SR・2224SRシリーズは、コアレス構造のため同等モデルと比較して小型・軽量でありながら、高い動力性能を備えています。
また、IVD機器は認証コストが高いため構成部品の変更が避けられる傾向にあり、長期間にわたる交換部品の供給体制が整っている点も採用の理由となっています。
参考: オートメーションラボ | 用途/アプリケーション | FAULHABER / 日本総代理店 新光電子株式会社
本記事では、コアレスモータの基本的な仕組みからFAULHABER(ファウルハーバー)社の製品ラインナップ、実際の採用事例までを解説しました。
コアレスモータは、コアードモータでは避けられなかったコギングや鉄損といった課題を構造的に解消するモータです。そしてFAULHABER社の製品は、独自の斜め巻線技術による高い出力密度に加え、整流方式・マグネット・ギアヘッド・エンコーダをシステムとして最適化できる点に強みがあります。
モータの選定において重要なのは、Web上のスペック比較だけではなく、自社のアプリケーション要件に対してモータがどのように機能するかを具体的に検証することです。
必要トルクや回転速度、設置スペース、動作環境といったパラメータは装置ごとに異なるため、同じシリーズであっても電圧仕様やギアヘッドの減速比によって最適な構成は変わります。本記事で紹介した5つのシリーズの特長や採用事例が、自社の装置に合ったモータを選定するための判断材料となれば幸いです。
コアレスモータの選定や導入をご検討の方は、FAULHABER社の日本総代理店である新光電子株式会社にご相談ください。
駆動条件をご提示いただければ、発熱を含めた事前シミュレーションを実施し、用途に適したモータとドライブシステム構成をご提案いたします。電圧仕様やシャフト形状の変更、高温・低温環境や真空環境(例:10⁻⁵Pa)への対応といったカスタマイズについても対応可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。