ヒューマノイドロボットの進化
- Evolution of Humanoid Robotics -

他の惑星の探索や、自動車部品の製造、ホコリやゴミの掃除と、今ではいたる所でロボットが活躍しています。しかし、それらロボットの外見は、通常SFファンが想像している形とはだいぶ異なります。平らな台車のように動き回ったり、工場内に大型機械として固定されています。目と耳、そして手足を備えるヒューマノイドロボット(人型ロボット)は、依然として、開発の初期段階にあります。この分野に取り組んでいる韓国企業Dongbu Robotが、ヒューマノイドロボットの「核となる駆動力」として利用しているのが、FAULHABER製のモータです。


さまざまな分野で利用されているDongbu社の産業用ロボットですが、半導体製造においては、特定の製造行程を経た非常にデリケートなシリコンウェハを回収し、次の行程へと正確に引き渡します。そのような作業の場合、ロボットは工場内に固定されています。またDongbu社では、床の清掃、部屋の自動パトロール、訪問者の誘導など、日常生活で利用されるロボットも製造しています。これらは、車輪移動の箱型ロボットです。
両タイプのロボットに共通している点は、対象を絞った少数のタスクの実行、それらにのみ特化した演算処理能力とモータ出力です。そうすることで、リソースを非常に効率的に使っています。しかし、それらのロボットには、必ずしも汎用性があるとは言えません。

ヒューマノイドの欠点

ヒューマノイドは、その基本的な動きにおいて、専用ロボットより不利な点があります。二足歩行は、精密制御された車輪の動きよりはるかに複雑です。人間でさえ、二足歩行という、この一見単純な一連の動きを習得するのに1年程度かかります。この動きには、約200本の筋肉、多くの複雑な関節、脳内のさまざまな領域が相互に作用しています。さらに人体のバイオメカニクス開発では、エネルギー効率の面において、まだ多くの課題が残っています。アームや脚部のレバー比が不均衡なため、少しの動きでも高い電力が必要となります。
これまでヒューマノイドは、研究対象や玩具(またはその両方)としてのみ使用されてきました。1990年代以降、世界中の工学技術系大学で、ロボットサッカートーナメントが開催されており、研究や技術開発、そして楽しむことがそこでは、人型ロボット用に個別のリーグが設けられています。さらに、自作のロボットや組立キットで作られたロボットでプログラミング技術をテストし、ヒューマノイドロボットの可能性についての知識を向上させる、ロボット愛好家の国際的なコミュニティもあります。

パワーとインテリジェンスの統合パッケージ

このコミュニティには、Dongbu Robot社のHOVISシリーズのファンが数多くいます。その大きな理由のひとつには、この約35cmの人型ロボットの動力である、いわゆるサーボがあります。別売りもされているサーボは、熱心な愛好家たちに大人気です。サーボは小型ユニットで、人体にたとえるなら、四肢用の筋肉・腱・神経のパッケージです。この装置では、バッテリー電源と制御信号を個別の動作に変換します。Dongbu Robot社は、小型の人型ロボット用として、サーボユニットHerkuleXシリーズを開発しました。このユニットには、駆動モータ、高性能ギアヘッド、電子フィードバックシステム(エンコーダ)、および通信インターフェイスで構成され、それらがすべて堅牢なプラスチック製の筐体に収納されています。

エンコーダにより、サーボは自分の正確な位置を常に把握できます。またエンコーダでは、制御信号の変換も行います。たとえば「前進」コマンドであれば、モータに対して該当タスクの実行に必要な回転数を指示します。モータとソフトウェアと制御ユニット間の相互作用を最適調整することで、一連の動作において、ロボットの関節にある程度の自律性をもたせます。HerkuleXサーボユニットがあれば、単純もしくは複雑なモビリティパターンであっても、正確に個別制御できます。エンコーダ内の高機能ソフトウェアと高性能な通信インターフェイスにより、信号は迅速かつ正確に伝送されます。

ヒューマノイド – 生身の人間を模倣するも、まだその動作に制限がある
FAULHABERの駆動技術をベースにした、高性能HerkuleXサーボモジュール
人体の動きの複雑なメカニズムを20個のサーボユニットで再現

小型化による効率化

動作の駆動源はモータです。上述のように、ヒューマノイドのレバー比が不均衡なため、できるだけコンパクトなサイズで、大きなトルクを発生させる必要があります。Dongbu Robot社のD.S. Choi氏は、次のように語っています。「市場に出回っている各モータを詳細に比較した結果、当社ではFAULHABERの2224 SRおよび2232 SRシリーズのDCマイクロモータを採用しました。これらのモータの非常にコンパクトで、かつ発電力の高い点が、採用の決め手でした。ダイナミクスと出力密度の面で、これらのモータは無敵でした。さらに、FAULHABER製と言えば、ロボット愛好家にとって、優れた品質の代名詞になっているからです。」
2232 SRシリーズのDCマイクロモータは、モータ径がわずか22mmで、連続トルク10mNmを実現しています。それでも消費電流は非常に低く、かなり低い電圧からでも動作します。電力効率は最大87%で、バッテリー効率が非常に優れています。「1回の充電で長時間駆動できることはきわめて重要です。さらに、本モータのリニアな特性のおかげで、制御動作の駆動源はモータです。上述のように、ヒューマノイドのレバー比が不均衡なため、できるだけコンパクトなサイズで、大きなトルクを発生させる必要があります。Dongbu Robot社のD.S. Choi氏は、次のように語っています。「市場に出回っている各モータを詳細に比較した結果、当社ではFAULHABERの2224 SRおよび2232 SRシリーズのDCマイクロモータを採用しました。これらのモータの非常にコンパクトで、かつ発電力の高い点が、採用の決め手でした。ダイナミクスと出力密度の面で、これらのモータは無敵でした。さらに、FAULHABER製と言えば、ロボット愛好家にとって、優れた品質の代名詞になっているからです。」
2232 SRシリーズのDCマイクロモータは、モータ径がわずか22mmで、連続トルク10mNmを実現しています。それでも消費電流は非常に低く、かなり低い電圧からでも動作します。電力効率は最大87%で、バッテリー効率が非常に優れています。「1回の充電で長時間駆動できることはきわめて重要です。さらに、本モータのリニアな特性のおかげで、制御。