カスタマイズされた包装(カッティングナイフを正確な高さに誘導する、FAULHABR社小型モータ)
- Customized packaging -

今日の製品のほとんどすべてに出荷や取り扱いのための保護包装が必要です。厚紙や段ボールなどで数多くのカスタマイズされた設計ができるため、紙は材料において第一の選択肢です。試作モデルは、実際に新しいデザインの設計と機能性を迅速な検査することが不可欠です。
手作業で製造するのは費用がかさみ、かつ精度に問題がありました。そこで、ハンディーなカッティングプロッターがオフィス用に登場しました。この最先端のオールラウンド加工機は、CADデータから直接最終カットサンプルを作成します。


本番で使うカッティングシステムは高価です。スタンプ・ツールも費用が掛かります。そのため、新しいデザインへの高価な投資を行う前に試作品で試験を行うのは良い考えです。カッティングの専門家であるドイツ・ノツィゲンにあるLasercomb社は、このような目的のために新世代の多機能プロッターを開発しました。
信頼性、精度、魅力的な価格が仕様の最初に記載されています。
プロッター技術には深い専門知識とコンパクトな駆動部の強力なモータが必要です。求める厳しい仕様を実現するために、メーカーは長期の駆動装置サプライヤーであるFAULHABERと連携しました。したがって、実績のあるモジュールを使用できることに加え、専門家による新しいコンセプトへの最適で迅速な切り替えも可能になりました。

コンパクトさと簡単なメンテナンス性

当初の要求は、大型モデルシリーズのすべての機能を備えた、小型で手頃な価格設定のプロッターを開発することでした。小型バージョンに、コンセプトはそのままに移行することは不可能でした。配線コストだけでも価格帯に収まらないでしょう。そのため、先端モジュールにはCNCを使用することに決定しました。第二のイノベーションとしては、2個のCAN-openノードを取り入れ、配線コストを最小化することでした。一方のノードは制御バスとして入力/出力を担当し、もう一方はより高い周波数で周期化され、駆動用の制御バスとして動作します。これにより、ツール・ヘッド内のツールの迅速かつ精密な誘導が保証されます。同時に、最初の設計図面では、電源を含むヘッドから垂下するケーブル数が17本だったのに対し、たった1本に減らすことができました。
ProDigiプロッターは極めてコンパクトな構成ですが最高のパフォーマンスを発揮します。モデルに対応して、ツール・ヘッドから800 x 1300mm~3100 x 1700 mmの作業面が最高100m/min(1.66m/sec)、加速度5m/secで前後に動き、空運転時の時間を短縮します。本番のカッティング時には最高30m/minで動作し、描画プロッターとしては50m/minにも達します。ヘッド上のツールを交換するだけで構成を変えることができます。交換後、電子機器はカッティングパラメータもしくは描画パラメータを高精度なサーボ・モータを経由して調整します。このすべての調整が非常に静かに行われるので、オフィス用として理想的です。プロッターとツールで必要とされる駆動力は最先端のDCモータによって供給されます。この堅牢なProDigiプロッターをベースに独自の小型シリーズを作るユーザーさえいます。

コントローラとミニチュアドライブには様々なソリューションが求められます。最適に実装されコントローラと電源に必要なケーブルは1本のみになります。
2軸制御用の4つのモータを備えたコンパクトなツールヘッド。省スペース化の為 駆動はカバーの下に収納されています。

カスタムメイドのDC小型駆動装置

プロッターの特性が規定されると、設計者は仕様を満たす駆動部品を選定しなければなりません。10年以上そのような駆動部品を探し続けていたため、彼らもまた最初からFAULHABERと共に検討を開始しました。この場合、ツール・ヘッド内のモータ寸法のコンパクトさが最重要問題でした。つまり、限られたスペースにZ軸の制御(ナイフの行程動作)とC軸の制御(ヘッドの水平移動)用に4台のモータを搭載する必要があります。各一対のモータはツールの装備品として機能します。すべてのモータには予め接続ケーブルとインクリメンタル型エンコーダが組付けられます。次にコネクタは、モータやアドオン・モジュールの接続と制御側に専用のプラグ構成を備えた、いわゆる「スイッチング・パネル」にそのまま取り付けられます。このソリューションの利点は、緊急時にプラグ・アンド・プレイ機能を使って顧客が自分でモータを交換できることであり、これまで普通に行われていた従来の特別な接続方法が必要ありません。どうしても避けられない紙粉を防ぐシールも堅牢なモータの耐用年数を延ばします。動作を阻害する異物が入り込まないことで、ブラシとコミュテータの摩耗は大きく低減されます。
カッティングナイフを正確な高さに誘導するために、180mNmトルク、直径35mm、長さ57mmの28Wモータがヘッドに組み込まれています。
戻り止めギア減速機構としてのリフティング・スピンドルを使用することにより、カッティングナイフをゼロバックラッシで正確に位置決めすることができます。一方で、トルク530mNmのフランジ付き金属製遊星ギアと80Wのモータを組み合わせたギアードモータ・ユニットがC軸に使われています。
DCモータの高い動力性能は、作業面全体にわたるテーブル高さの補正(縦型ツールのトラッキング)を行うことを可能にし、これにより高い精度を出すことができます。これにより、ツールから真空テーブルまでの距離が一定になり、被加工物までの距離が常に一定に保たれます。
今日では、小型駆動装置は、まさに大型シリーズ機ように、個々の要求に合わせて調整することができます。
駆動装置が最初から用途の仕様に合っているならば、標準的なモータで起こる多くの問題や妥協は設計時に避けることができます。つまり、構造、性能、電磁適合性、プラグ・アンド・プレイあるいは特定の媒体に対するシール機能などの特殊な特性も容易に実装することができます。ユーザーは自分の開発時間を短縮でき、より早く製品を市場に投入することができます。他の方法では達成困難である、ということが有利な点です。