明るく点灯するパワーパック

  • - Bright power pack-

Laser eye surgery

懐中電灯をほんの一瞬点灯して空に向けると、ビームが月へと伸びていきます。人の毛髪の太さよりもビームを短くするには、どれだけ速く懐中電灯をつけたり消したりしなければならないのでしょうか?親指では無理なことだけは確かです。このレベルの超短ビーム(超短パルス)は、圧縮された高エネルギー波束へとレーザー光を分割する、いわゆるフェムト秒レーザーで発振されます。このレーザーは、人の目の角膜から超硬セラミックまで、対象となるものをミクロンレベルの精度で処理するのに利用できます。フランスの精密機器メーカーのISP System社はアクチュエーターを製造しています。アクチュエーターは、高性能レーザー内部でプリズム、ミラー、フィルターを正確に配列して、適切な箇所に適切な出力で光パルスを照射するのに使われます。FAULHABERのステッパーモータで信頼性の高いドライブを保証します。

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  • 誘導放出

「誘導放出による光の増幅(Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)」の頭文字をとったレーザー(LASER)という言葉は、そのメカニズムの原理を端的に表しています。簡単に説明すると、エネルギーを投入し、光の錯覚を利用して、レーザー内部で光を増幅させて集光すると、CDやバーコードの読み取り、癌性腫瘍の治療、金属の溶接を行える薄型ながらも強力なビームが生成されます。光の錯覚に必要なのは、何よりもまずプリズム、フィルター、ミラーです。これらはビームを分割して特定の波長を集約し、2つのミラー間でビームを何度も往復反射させてビームを増幅します。レーザーポインターなどの絶え間ないビームは比較的弱いものの、周波数を操作して光の放出を遅延させることで、パルスレーザーのエネルギーを高圧縮して小さな束にします。

  • それほど短くならない

アト秒(0.000 000 000 000 000 001 秒 = 10-18 秒)のパルス幅を持つレーザーはすでに研究に用いられています。このレーザーの超短パルスを用いて、原子核内で超高速な動的プロセスを可視化できます。産業または医療で使用する場合は、パルス幅を若干長めにして、瞬きする間持続させることができます。1フェムト秒(10~15秒)は、1秒の1000兆分の1です。目はこの1フェムト秒間で瞬きしますが、光はこの間にわずか0.3ミクロンの距離しか進みません。人の毛髪はこれよりも約200倍太いものです。フェムト秒レーザーは現在最新技術であり、多くの分野で利用されています。医療技術、化学分析、偽造防止微細マイクロ加工などの分野では、多光子顕微鏡、マイクロサージェリー(顕微鏡下手術)、極細構造の処理などに利用されています。
フェムト秒レーザーは、1秒あたり最大1億のレーザーパルスを生成できます。パルスを照射された物質は、溶融する間もなく直接気化されて抽出できるようになるため、溶融残留物を生成したり周囲の物質を加熱したりせずに、1ミリの数百万分の1の程度(ナノメートル)の層を高い精度で除去できます。均一性、吸収力、蒸発温度、硬度などの物質特性が実質上一切作用しないため、ほぼあらゆるものにレーザーを照射できます。

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最先端のフェムト秒レーザーは多くの分野で利用されています。

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1秒あたり最大1億のレーザーパルス

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  • さまざまなドライブ

この「冷間加工」は残留物を一切残さず、製造中の加工品の品質に影響を及ぼしません。望みどおりの結果を得るには、適切なパルス照射時間、パルスエネルギー、パルス周波数、正確なフォーカスを選ぶだけです。ISP System社のアクチュエーターが実力を発揮するのはこの部分です。アクチュエーターはレーザー内部でプリズム、フィルター、ミラーを動かして、明確に定義された品質を光パルスに付与します。そこで、ここからは電磁ドライブ、圧電ドライブ、機械ドライブの異なる3種類のドライブについて焦点を当てていきます。「研究などの用途分野では、電磁ドライブと圧電ドライブの2種類のドライブがそれぞれの強みを発揮しますが、日々の産業用途では、多くの面において機械駆動式アクチュエーターが優位となります」と、ISP System社のセバスチャン・タイス氏(Sébastien Theis)は説明します。「ただし、装置の品質が適切なものであり、最高級のモータを使用していることが前提です。装置やモータには相当精密な動作が求められますが、これらに用いる駆動電子部品が複雑すぎるのはよろしくありません」と条件を付け加えています。
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試験ラボにおいて、レーザーはCEMのテストに使われています。

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  • 優れた機構

閉制御ループでしか高い精度を発揮できない圧電ドライブと電磁ドライブは、特にこの点において決定的なデメリットがあります。ここで言うデメリットとは、動作を測定し、測定値の情報を駆動電子部品に渡して動作を適宜調整してもらう測定ユニット(センサ)を必要とすることを意味し、また閉制御ループとは、複雑さのレベルが比較的高く、追加の電子部品を必要とすることを意味します。ソリューションがより高価になるだけでなく、複雑さと大きさも増すことになります。
その一方で、ステッパーモータは開制御ループで動作可能で、センサを必要としません。これだけでも十分小型化が可能です。「モータ自体がステップ数を数えています。この数値を用いて、かなり正確な位置を引き出すことが可能です。途中で障害物がないことが前提となりますが、FAULHABERのモータの品質のおかげで、ステップの数を余さず数えることができるという確信があります。その場合、ドライブを0(ゼロ)位置に戻すだけで信頼性の高い較正結果を得ることができます」とタイス氏は説明します。

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  • 電力なしでも逸脱しない

ステッパーモータのもう1つの優位性は、電力なしでも位置を確実に保持する点です。密閉されたレーザーボックス内で動作している間は、それぞれのレーザーパルスに電磁放電が伴うためこれは重要です。アクチュエーター、センサ、ドライブの電子部品で構成される閉制御ループは、電力が供給される場合にのみ動作できます。こうしたユニット内では、電気放電が干渉を引き起こす可能性があるため、調節式ミラーなどが定位置からずれる可能性があります。レーザーで近視の状態の目の角膜を修復する場合、レーザーの精度にとってこれは致命的です。電力がなくても定位置に留まるステッパーモータを使えば、このような干渉が起きることはありません。
こうした設計上の特徴と高品質の他にも、ISP SystemがFAULHABERのモータを選択した理由があります。タイス氏は次のように述べています。「当社の要件にこれほど簡単かつ迅速に対応できるメーカーは他にありませんでした。比較にならないほど広範なモータとギアヘッドから選択できます。さらに、FAULHABERは、当社の要件に合わせた特別なモータを開発できます。短納期でモータを供給してもらえるため、当社の顧客の要望にすぐさま応えることができます。また、当社の技術を熟知し、そのさらなる進化に寄与できる能力の高いFAULHABER担当者と常に連絡を取り合っています」