高圧下における駆動技術

  • - Drive engineering under high pressure -

高圧下における駆動技術


油圧システムの圧力脈動は妨害ノイズを発生させます。同時に本体や流体に起因する音は、油圧システムに負荷をかける可能性があります。その主な原因は、油圧(容積型)ポンプです。そのため、たとえば自動車の燃料噴射ポンプでは試験を行い、関連システム内で滑らかに動作するか調べる必要があります。2000barまで必要な圧力が急上昇する間に圧力脈動が急激に増加し、管路の終端でそれが反射される可能性があります。そのような反射がポンプの実際の脈動の正確な測定を妨げます。小型モータによって駆動される油圧減衰抵抗が、そのような反射を防ぎ、正確な試験装置の測定を可能にします。

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特にディーゼル車における燃料噴射システムに関しては、最高の平滑性と信頼性に大きな価値が置かれます。
これらを達成するには、コンピュータ・シミュレーションと試験装置による測定が最適です。
正確な測定値を取得し、圧力反射を防ぐために、ドイツ西部のAachenに本社をおく流体技術の専門企業のFLUIDON社は、管路終端装置として油圧減衰抵抗を開発しました。
現代のシステムは最高2000barまでの圧力で機能するため、外部からその圧力を調整することができません。そのため、FAULHABERと連携して、内部の調整用運動学システムは小型モータを使用して工夫しました。
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ディーゼル噴射ポンプの測定用試験装置

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  • 減衰のメカニズム

FLUIDONはあらゆる種類の油圧システムのコンピュータ・シミュレーションを専門としています。シミュレーションはベースとなるデータの質が良くなければならないため、ソフトウェア開発者もまた基礎研究所を運営しています。しかし、研究所の試験装置内での妨害反射は、燃料噴射ポンプなどのような目的のパラメータの正確な評価を妨げます。
そこで、開発者は測定した圧力波の妨害反射を最小限に抑える方法を考案しました。
電気システムにおけるサージ・インピーダンスと同様に、正確に設定された「終端抵抗」によって反射を防ぎます。
実際には次のような「簡単な」トリックで可能となります。反射の小さい管路の終端は下流の補償体積を調整できる遮蔽物によって構成されています。
適切に設定されると、調整可能な遮蔽物は、上流の圧力管路の波抵抗の値を正確に生成します。
油圧ポンプ用の動作圧力を発生させるために、補償体積は調整可能な絞り弁を経由してオイル戻しラインに接続されます。これで、試験装置内のポンプは、実際の噴射器を使用した場合と同様に、2000barまでの高い油圧に対抗して、リアルに動作します。結果として、このようにして取得されたデータは実際の日常動作を反映しており、シミュレーション・ソフトウェアが確かな基礎の上に確率されています。

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  • 脈動と反射の理論
断続的に吐出圧力が変動する容積型ポンプが油圧システムに多く用いられます。
結果として生じる圧力の脈動はシステム全体に音速で広がります。
システムの構成によっては、脈動は筐体もしくは空気によって音として放出しされることがあるため、その音の値は可能な限り低く保つ必要があります。
ただし、測定中は、反射によって生成された波が元の圧力波に重なります。
そのような状態では、結果的に生じた波「カオス」を評価することは不可能です。
ただし、電気配線と同様に、端末抵抗器のインピーダンスが管路のインピーダンスと合っていれば、投入されたすべての波は端末抵抗器によって「飲み込まれます」。
したがって、適切な抵抗器を使用されているならば、つまり、正しい遮蔽物の開口部が設定されているならば、測定された波の調整された振幅パターンが作り出されます。管路の波のインピーダンスは次のように定義されます。

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取り消し量は長さと関係します。つまり、この量は[単位メートル当たり]で得られます。油圧管路と電気配線の特徴量を比較すると明らかです。
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  • 細部に潜む問題点

調整可能な遮蔽物は補償体積内に置かれているため、遮蔽物もまた高い動作圧力にさらされています。幾何学的な形状の遮蔽物を手動で調整する最初の試作品は、機械的な施工において弱点があることを明らかになりました。簡単な無限調整とまったく漏れないスピンドル・ロッドは実現不可能だと分かりました。そのため、試験機関の専門家は、電気モータによる「内部調整」を選びました。モータに必要な2本の電源ケーブルの静止用シールは、絶縁された自己密封円錐形ジョイントを経由すると問題ありません。彼らはFAULHABERの製品ラインナップから15mmのブラシモータを選びました。このシステムは手作業で関連する試験装置に取り付けられました。
それにより、24Vモータの回転速度は、簡単なPWMコントローラーを使用することにより精密に調整できるようになりました。
正確な定格トルクおよび必要な分解能、その時の回転数が当初不明であったため、開発者たちは、市販されているモータ用のギアヘッドから減速比別にいくつかの遊星ギアヘッドを試しました。そして最適なモータ減速比は369:1であることが分かりました。モータとギアヘッドは油圧装置のフル稼働圧力の下で問題なく機能します。この用途のために標準製品を少しだけ改変しました。油圧システムには排気孔を開けなければならないので、モータとギアヘッドの両方に小さな排気孔を設けました。この排気孔によって空気を逃がしやすくなり、運転中に、コンポーネントを流れるディーゼル・オイルもしくはディーゼル・オイル代替流体は最小限になります。標準的なブラシと整流子による電流伝達性やコイルの絶縁性について、高圧下であっても何ら損傷を生じません。得られた良好な結果に基づいて、高粘度流体用の第二のシステムが造られました。
この用途では、粘性による回転中の整流子の摩擦損失や、位置決めする際の負荷の増大により、大きめのモータが必要でした。
開発者やユーザーが考えている以上に、最先端の既製の小型モータは高性能でした。
そして、小型モータの限界の見極め、特に初めての新しい用途に対して確認することは重要です。
最小限の変更だけで特定用途への適性を確保できることは少なくありません。
開発の初期段階でモータの専門家に相談すれば、多くの場合低コストでコンパクトな解決案を得られることがよくあります。