精密なグリップを実現
- Get a grip on precision -

SCHUNK製の新しい小型部品用グリッパーは圧縮空気なしで機能します。今まで、高速でパワフルな小型グリップシステムの多くは、空気圧式によってのみ実現可能でした。圧縮空気を使用すれば、ほぼ遅延なく大きな圧力を伝えることができます。しかし、圧縮空気の供給には複雑なインフラが必要であり、それを全ての製造工程に供給することは困難で、費用もかかります。有り難いことに、SCHUNK製のメカトロニクスに対応したEGP40によって、このインフラが不要になりました。ワーク保持技術とグリッパーシステムの第一人者によるこの新型グリッパーは、空気圧式グリッパーとほぼ同じ性能を実現しています。それを可能にしている駆動装置がFAULHABER製のブラシレスDCサーボモータです。


「ピック・アンド・プレース」とは、小型部品グリッパーのこうした標準的な用途に使用される用語です。製品を取り上げてそれを他の適切な場所に置くことが、多くの処理プロセスや組み立てプロセスで生じる標準的な作業ですが、それだけにとどまりません。たとえば、何千もの血液、DNAまたは活性薬剤の試料を分析する現代の大規模な研究施設において、それらの試料は入り組んだピペット・プレートの上に高速で分注されます。そしてそのプレートを小型ロボットがしっかりと持ちあげ、分析手順のそれぞれの次のステップに搬送します。別の典型的なアプリケーションは、たとえば電気機械や切り替えシステムなどのパワーエレクトロニクス用の回路基板の組み立てです。SCHUNK製のグリッパーは構成部品を取り上げて、その接点を回路基板の目的のソケットに配置します。グリッパーはしっかりと部品を把持しますが、もちろん工作物を傷つけることはしません。正確で微調整された力に加えて、ほとんどの工程で特にスピード(素早いグリップ)が生産性向上に貢献しています。
産業用グリッパーの場合は、空気圧で操作するシステムがこれまで主流でした。これは伝統と実用の両面に起因します。空気圧式アクチュエータの出力密度は高く、そのために小さな質量で比較的強い力を出すことができます。この力はほぼ遅延なく利用できます。コントロールバルブが開いた直後に供給された圧縮空気が目的のリフト作業、この場合は握り動作を完了します。

4極技術によるブラシレスDCサーボモータ

先取的なモータパワー

新型の電気式小型部品グリッパーEGP40のおかげで、今や完全な電気式で構築することができます。しかも、性能の点でいかなるトレードオフもありません。このグリッパーは実に140Nの閉鎖力があり、同じSCHUNK製の空気圧式のMPG-plus 40を上回ります。この強力な性能をもたらしてくれるのが、FAULHABER製のBX4シリーズの4ピンブラシレスDCサーボモータです。このモータは特に高出力密度の点において最適化されており、質量に対して最大のトルクと駆動力を出力します。コンパクトで頑丈なデザインは経済的かつ自動的に製造することが可能です。コギングなしで動作しますので、トルク出力はその動作位置に依存しません。同様に、最小限の回転質量のおかげで、非常に高い動的応答性を実現しています。既に動作中の場合または低速回転に設定している場合、最大トルクが直ちに得られます。グリッパーの指はしばしば非常に短い距離しか動かないため、最大のトルクが得られることはこの種の用途にとって特に重要です。最高品質のモータ技術の望ましい副次効果はその低いエネルギー消費量です。
これらの特徴によって、FAULHABER製のモータは、電気式小型部品グリッパー開発の重要な技術的プラットフォームとなりました。「このグリッパーは取り扱いや顧客の用途への取り込みが容易になるよう考えられています。以前は、これほど高性能のモータを、この種のデバイスへ組み込むにはとにかくコストがかかりました。」と、SCHUNK社の開発エンジニアのMatthias Quaasは述べています。「このタイプのモータは低価格というコンセプトに基づいているため、最初から購入した電気駆動システムを検討することができました。また、確固として十分に実績のある技術に頼れることが極めて重要でした。そしてこのモータは、信頼性と寿命の長さが多くの応用例で既に証明されています。」

電子機器をカスタマイズ

とはいえ、スペースの関係上、制御電子機器をSCHUNK社の要件に適合させなければなりませんでした。グリッパーに収納するために、回路基板の形状とコンポーネントの配置を最適化する必要がありました。コンポーネントには顧客固有の接続と電磁妨害に対する保護対策となるEMC保護回路が盛り込まれました。さらに、ソフトウェアがそのグリッパーの機能に合うようにカスタマイズされました。「私から見ると、FAULHABERはサプライヤーではなく開発パートナーです」と、Matthias Quaasは強調しています。
「協調的な取り組みが実に建設的で常にソリューション指向でした。我々は素晴らしいサポートを受けることができました。」
今日、SCHUNK社はEGP40によって、世界市場で利用可能な統合エレクトロニクスを備えた最もパワフルなメカトロニック小型部品グリッパーを提供することができます。そのハウジングデザインと電力系統は相当する空気圧式製品MPG-plus 40にそれぞれ対応しています。センサシステムと制御信号も同様です。このように、ユーザーは最小限の支出と労力で空気圧式から電気式に切り替えることができます。EGP40のさらなる強みには、クランプする時間と持ち上げ動作との間の良好な関係、高性能のクロスローラーガイドによるグリッパーの極めて精密な指の動作、調整可能な4倍のグリップ力があります。精巧な制御システムによる空気圧式にのみ可能であった調整が、はるかに容易に行えます。ハウジングの側面にある開口部からスイッチの位置を選択できますので、それでグリッパーの握り強度を決定します。このスイッチでグリップ力も、成型可能な加工物やデリケートな加工物に対して合わせることができます。その他に、多くの製造工程においてはグリッパーのスピードも極めて重要です。このような場合には、EGP40の高速バージョンもあります。そのバージョンではモータは異なった減速比のギアで動作します。このバージョンのモータはそれほど強力ではないのですが、サイクル時間が驚くほど短く、空気圧式のものよりもさらに高速です。